幼児期や老年期には青年期と少し違った生活を送ると、前のページで説明してきました。ここからは体の成長時期だけでなく、個々人の体の状態について学んでいきます。
このカリキュラムを学ぶことで、1人1人の体が陰陽のどちらに傾いているか、どのような食事を中心に取れば良いのかが分かります。
体質の条件
体や性格は生まれた後の生活や環境で変わってきます。ですが体質と精神の本質は両親からの遺伝や、胎児の時期に過ごした母親の状態で生まれる前から変化が起こります。
それら様々な要因を簡略化させると、次のようになります。
- 両親と先祖の身体的、精神的状態
- 生殖細胞の質
- 受精・生年月日
- 誕生と成長の場所
- 胎生期と成長期の食事
- 家族、社会、文化的影響
この要因が様々な形で混ざり合う事で宇宙に2つとない『個』の存在が出来上がるのです。ではこれらについて詳しく学んでいきましょう。
両親と先祖の身体的、精神的状態
日常の生活や食事など、大きな変化が現れない限り子孫は両親や先祖と似た傾向を持って育って行きます。
食生活で例えると過去と現在の日本が分かり易いです。魚や野菜を中心的に取っていた過去に対し、外国との貿易が盛んになるにつれて肉食の文化が広まって行きました。すると体格が欧米人に近付いて行き、体も高く大きくなっていきました。
世界の平均から見ればまだ小さい部類の日本人ですが、それでも食生活の変化で種に大きな変化をもたらしたのも事実です。
逆に言うと、両親や先祖が健康的で特に変わったことをせずに良い生活を送っていれば、子供も同じように健康的に育ってくれます。
生殖細胞の質
生殖細胞、つまり精子と卵子は遺伝子の集約体であり、子供を形作る重要な細胞です。成長の第一歩を担うこの細胞は今後の成長を大きく左右する重要な役割を持っているので、強いエネルギーが含まれています。
まず生物を大きく二分化する性別は、精子と卵子の持つエネルギーの差で決まります。そして少し意外なのが、精子のエネルギーが強い場合は女性に、卵子のエネルギーが強い場合は男性になりやすいのです。強い方の細胞と同じ性別になるイメージを連想しやすいですが、実際は逆の現象が起こります。
他にもそれぞれの役割があり、精子は子供の神経系統に、卵子は消化・生殖系統に影響を与えやすいです。これは上記の説明が加えられるとイメージしやすいでしょう。精子の方が強い場合、神経系統が発達しやすいので女性は感情の起伏に敏感になります。卵子の方が強い場合、消化・生殖機能の働きが盛んになるので男性の体は発達が如実に現れます。
臓器の特徴も遺伝で受け継がれていきます。特に体の左側(脾臓、膵臓、胃)は父親の、右側(肝臓、胆のう、腸)は母親の特徴が現れやすいです。
他にも知的、社会的、思想的性格は父親に影響されやすく、身体的、感覚的、感情的性格は母親から影響されやすいとも考えられています。