肺
肺は呼吸器系の主要な臓器に当たり、咳やぜんそくなど軽い症状から肺炎やろく膜炎など重い症状にまで悪化する可能性があり、幅広く対応する必要があります。
しかも肺が原因で呼吸器系に関わる気管や鼻腔にも、炎症が表れる可能性があります。さらに近代社会では技術の進歩によって排出ガスが増え、街中できれいな空気を吸える場所はないと言っても過言ではありません。
呼吸を止めると苦しくなって活動できなくなるのは周知の事実で、生物は常に呼吸をしていなければなりません。その為人体の排出器官のエネルギーの7割は呼吸器系に注がれ、酸素と二酸化炭素の循環に絶えず使われています。
休むことなく使われる肺には常に負担がかかっていて、いつ病気を発症してもおかしくはありません。なのでマクロビオティックではその負担を和らげるための生活、食事を行うのです。
食事法
穀物類の中でも、特に玄米類が肺に効果的なので毎日の主食に混ぜ込みましょう。
なお、穀物類だからと安心して小麦粉製品を食べようとするときは1つ注意することがあります。固く焼き締めた小麦粉製品、クッキーやクラッカーなどは粘液を作り出して肺に溜まり易くなるので、最小限の摂取か食べるのを避けるようにしてください。
豆類も健康的な食事に入りますが、特に黒豆が肺に効果的です。
他にも野菜の場合はクレソンやパセリなどの少し小ぶりな青菜、ゴボウやニンジンなどの根菜類、ブロッコリーや芽キャベツなど凝縮した野菜、海藻類ではヒジキが効果的です。
それと普段のマクロビオティックでは少し違い、ちょっとだけピリッとする刺激物は肺の動きを良くしてくれます。ですが強すぎると他の臓器を痛めかねないので、ショウガやからし、米酢、マスタードなどの薬味がちょうどいいです。
味付けは少し濃いめにして、陽性の作用を持たせるようにしておきましょう。
生活様式
まず初めに、肺の負担を減らすためには新鮮な空気をどれだけ呼吸できるかが問題になります。不純度の低い空気なら余計なエネルギーを割いてゴミの分別を行わずに済みますし、素早くエネルギーの変換を行えます。
活気が盛んな町中に行けば行くほど、車の排気ガスは増えますし、人口も増えると比例して二酸化炭素の量も増えます。そんな空気をきれいと思う人はいないでしょう。
人よりも光合成で酸素を排出してくれる木々の方が多い田舎は綺麗な空気であふれています。町と田舎ではこれだけ空気の差があり、呼吸器系に病を抱える人が田舎へ療養しに行くのもこれが大きな理由です。
ですが町でも田舎でも、決まって綺麗な空気が据える時間があります。それは早朝の空気です。
多くの人が寝静まる夜の間に昼間汚染された空気は木々の栄養へと変換されたり、遠くまで広がる事で薄まり、不順度が下がります。これにより早朝は誰にも汚されていない、新鮮な空気を吸うことが出来るのです。
それとたばこは絶対に避けてください。たばこは趣向品として古くから親しまれていますが、煙を直接吸う行為は肺に大きな負担をかけてしまいますので、自分で吸うのはもちろん、喫煙所など煙を吸う可能性がある場所は避けましょう。
それと呼吸は肺呼吸だけでなく、微細ながら皮膚呼吸も行われています。なので肌にアカが残っていたり血行が悪いと、皮膚呼吸の妨げになりますので常に体を清潔にしましょう。さらに通気性の良い木綿の衣類を着ていれば空気の取り込みが楽になりますし、余分な汗をかくこともありません。
家庭療法
肺の療養のためには、毎日の食事と一緒に『肺の為の飲み物』も作ると良いです。
レンコン汁のお茶、人参と大根の飲み物、甘い野菜ドリンク、しょう油を足した大根おろしなどを1週間に2~3回の頻度で食事に組み込みましょう。