Lesson2-1 原則 七つの宇宙の原則

マクロビオティックの原則

レッスン1でも説明したように、マクロビオティックは穀物類を中心とした食事法として広く知れ渡っています。しかし、実はマクロビオティックの考え方は食のみに留まるものではないのです。
実際にマクロビオティックを行っている人はただ食生活に気を付けるだけでなく、日々の過ごし方にも気を付けています。そして生活の全てを「マクロビオティック」だと感じて過ごしているのです。
なぜそのような考えを持っているのか、そのことをまず理解し、カリキュラムの内容を深く把握していきましょう。

七つの宇宙の原則

まずはマクロビオティックを学ぶ上で重要となる概念・原則や生活法について知っておきましょう。
この生活法は基本的に朝起きて夜寝る、朝昼晩の3食をバランス良く摂取するなど、一般的な生活スタイルを昇華させたものが見本になってきます。これを実行する上で、その日その時期の季節や気候にもあった生活を送る事も重要になります。
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しかし、上記のようなその日の天気などを自然の一環としてではなく、もっと広く、大きく捉えて宇宙の原則として考えています。それを項目化したものが次の『七つの宇宙の原則』になります。

『七つの宇宙の原則』

  1. 全てのものは、ひとつの無限から分かれた
  2. 全てのものは、変化する
  3. 対立するものは、全て相補的である
  4. 同じものはひとつもない
  5. 表があるものは、裏がある
  6. 表が大きければ、裏も大きい
  7. 始まりがあれば、終わりがある

それぞれ一つずつ解説していきましょう。
まずは1番目の項目にある「全てのものは、ひとつの無限から分かれた」とはそのままの意味です。と言っても概念化されて少し分かりづらいので、例を挙げると一つとは宇宙のことを指しています。
宇宙というとてつもなく大きな1つの存在から銀河が生まれ、星が生まれ、生物が生まれるといった形で次々に違うモノが生まれて来ます。この事実を広く捉えると、この世の物は宇宙を形成する一部分だと考えられます。
宗教圏の方にとってはこの無限は神様と考えられている場合もありますので、イメージしやすい物にそれぞれ当てはめてみてください。
次に「全てのものは、変化する」についてですが、これは簡単です。つまりどんなものも成長、消耗するという事です。時間が進む限りこの概念が変わる事はありません。
次の「対立するものは、全て相補的である」に書いてある「相補」とは互いに補い合うという意味です。つまり暑い時に冷たい物を食べる、寒い時に暖かい物を食べるというように、相反する立場の物はそれぞれの個性を引き立て合って共存しているのです。
同じものはひとつもない」とはまさにその通りで、人間という種族で一括りにしても男女で分かれていますし、そもそも同じ人なんていません。これはどんなものにも言える事で、クローン技術が発達して同一の物が複数あろうとも複数あればそれは別の物なのです。
そして「表があるものは、裏がある」と「表が大きければ、裏も大きい」は硬貨やコインを思い浮かべれば簡単です。知っての通り硬貨には裏と表があり、大きい物になれば自ずと表も裏も大きい面積になります。
このような事象は全ての物事にも当てはまり、私達の生活でも大きな役割を持っています。
例えば、微熱程度の風邪なら冷却用のシートを貼るくらいで済み、高熱が出たら氷枕を使用するという対処法があります。これらはどちらも『熱』に相反する『冷気』をぶつける方法ですが、度合の大きさによって処理の仕方も変わってきます。このように片方が強大になれば、その対になる物も比例して強くなるのです。
最後に「始まりがあれば、終わりがある」についてです。これは誰でも知っている概念でしょう。1日、季節、年、人生など多くの事に言えますが始まったら終わりに向かって進んでいくのが常識であり、宇宙の原則として考えられています。
 
 
 
いきなり宇宙の話が始まって戸惑ったかもしれませんが、マクロビオティックにとって重要な原則となりますので、最初に紹介させていただきました。
『七つの宇宙の原則』という言葉から、あまりにも壮大すぎて、自分とは関係がないように感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、どれも1つ1つ紐解いて行けば、私達が古くから営んできた自然に近い生活であり、いたって『普通』のことだということも感じられたでしょう。マクロビオティックとはこのように目の前にある『自然であること』をより広い視野を持って理解するとわかりやすくなります。
ここでは、自分も大きな宇宙の1部分だという意識を少し持って頂くだけでも構いません。
生活法を真似するだけでもよいのですが、どのような考えを持って生活を送っているのかまで深掘りすると、より理解が深まりますので、ほんの少しでも意識しながら学んでいきましょう。