Lesson5-5 食べ物のエネルギー 調味料、水

調味料

マクロビオティックで扱われる調味料は主に自然海塩味噌しょう油などを使用します。他にも未精製の植物油を調理に使ったり、味のアクセントとして梅干しが扱われることもあります。
基本的に調理中に使用するので毎日使っても問題ないのですが、塩分の取り過ぎがないよう多量の使用は控えましょう。

塩
古代から私達人類の食卓で扱われてきたは生命に必要な要素であり、最も古い必需品の一つだと考えられています。ちなみにマクロビオティックでは精製された食卓用の塩ではなく、ミネラル分や残留成分が残っている自然海塩が望ましいでしょう。
ミネラルバランスが整った自然海塩を使用していれば、塩分の過剰摂取はそこまで神経質になる必要がないと言われるほど、ナトリウム以外の身体に必要なミネラルが豊富に含まれています。
塩の食品の中で最も陽性の効果が高く、消化の促進血液の強化脳や神経系を刺激して体を活発化させる働きを持っています。そして調理中に使う事で柔らかい物は絞めて歯応えを、固い物はなじませて柔らかくする対極の作用が見られます。

味噌

味噌は日本人なら馴染みのある調味料で、大豆と自然海塩によって作られた発酵食品が主流です。他にも土地ごとに作り方が変化したり、材料が大麦や米に変わったりして種類が豊富にあります。
消化の促進や血液の強化を行ってくれる酵素が味噌の中に存在しており、高いエネルギーを有しています。なので心臓病の予防、乳がんなどの悪性腫瘍の治療促進、放射線治療などを受けている場合でもその効果が薄れる事はなく、病院食でもよくみそ汁などの形で起用されます。

しょう油

味噌と同様大豆の加工品として有名なしょう油はスープ、麺類、炒め物などの味付けに使用されます。タンパク質ミネラル分ビタミンBが豊富に含まれており、血液の強化や疲労回復、酸化の中和などの効果を持っています。

ごま油

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現在のマクロビオティックで最も使用され、一般的とされている油はごま油です。
料理の素材を活かしつつ、自身の持つ味や香りで料理に奥深さを与えてくれます。また色が濃くなるにつれて効果も比例的高くなっていくので、視覚的に油の効果が差別化できるのも特徴的です。
次に需要があったコーン油はトウモロコシの供給が混乱したため、市場に並びにくくなって毎日の食事として扱うのは難しくなってきています。
オリーブ油も有名で効果的な油ですが、こちらは南カリフォルニアや地中海などの暑い気候の人に最も適した油になります。なので現在の状況でマクロビオティックの実践で扱いやすいのはごま油だと言われています。

梅干し

梅干しはあの強烈な酸味と塩気で苦手な人もいるかもしれませんが、マクロビオティックでは重要な調味料の1つなのです。それに単品としてではなく、ペースト状にした練り梅や一緒に漬け込んだ紫蘇など様々な形で薬味になることが出来ます。
消化の促進、血液の強化、酸化の中和などの効果があり、疲労回復に梅干しが用いられるのも有名ですね。

食事を取る以前に、人体に最も欠かせない成分である水分の摂取は、穀物、塩と並んで毎日の食事に欠かせない三大重要食品の1つに数えられます。
体内の潤いに直接関係し、腎臓や膀胱の機能を維持する役割も持っています。
マクロビオティックの観点からみると、自然の水の方がミネラル分や自然のエネルギーを含んでいるのでそちらを勧めるのですが、地域によっては汚染水や寄生虫の繁殖が見られるので、きちんと飲用の許可が取れている湧き水などが最も安全で理想的だといえます。
また、私達の体は生まれ育った土地の水質によって、体に合った水が変化してきますので、調べる際には硬水や軟水、含有ミネラルの配合量など多くの要素を考えなければなりません。
 

本物の調味料を選ぶ

ここではマクロビオティックに使用する調味料について取り上げましたが、最も大切なことは、「本物の調味料」を選ぶことです。
「本物の調味料」とは、どのようなものでしょうか?それは、日本古来の伝統の製法で作られた調味料とも言い換えることができます。
例えばスーパーに足を運び、味噌やしょう油売り場を見てみると、価格が数百円のものから一つ千円を超えるものまで様々な製品があることに気が付かれるでしょう。
味噌や醤油は本来「発酵食品」であり、私たちに上で学習したような様々な恩恵を与えてくれます。また長い時間をかけて発酵することにより、豊かな風味や美味しさが感じられます。このような本物の調味料を作るには、沢山の人の手間暇と長い時間、よい素材が必要となります。
しかし現代では科学技術の発展により、安価な材料を使用し短期間でそれらしい味の調味料が製造できるようになりました。これらの調味料には多量の添加物が使用されており、伝統調味料本来の恩恵が全く無いと言ってもよいものとなっています。
このような調味料は安価でつい手に取ってしまいがちですが、せっかく家で手作りの健康的な食事を作っていても、使用する調味料の質が悪ければ食事が台無しになってしまうでしょう。マクロビオティックを実践する上で、これではあまりにももったいないですね。
本物の調味料を選ぶコツは、まずは原材料表示を見ることです。
味噌であれば大豆・米・塩(麦味噌などは麦が使用されています)、しょうゆであれば麦・大豆・塩・水・麹菌などの表示があり、それ以外の添加物が添加されていないものを選ぶようにすると良いでしょう。
多少価格は高くなりますが、調味料は毎日多量に使用するものではないので、家計への負担はそれほど大きくありません。
よい食事はよい素材から。調味料も本物を選ぶようにしましょう。
 

Lesson5確認問題

Lesson5の練習問題に取り組んでみましょう!
知識を確認することで、より定着度が高まります。