Lesson6-1 食事の効果

理想的な食材と調理法

マクロビオティックの方法に限らず、調理の仕方によって栄養が増減するケースは多々あります。
食べ物によって合った調理法、間違った調理法はそれぞれありますが、どの食材にも言えるポイントは、季節に合った旬の食材を新鮮な状態で適切な調理を行う事です。
文明が進んで「夏に熱い鍋を食べる」「冬はこたつに入ってアイスを食べる」など、あえて季節を無視して楽しむ方も確かにいます。ですがマクロビオティックではその行為は禁忌に値し、体を壊す原因となるので極力行わない事をお勧めします。
また、なるべく1回の食事で食べれる分だけ調理することも大事です。
鮮度の落ちた食材や食べ残しの再利用は本来持っていたエネルギーが低下している可能性が高いので、得られるエネルギーも低くなります。新鮮な状態の食材を食べる事はもちろん、全粒穀物豆類野菜は1日に1~2回出来立てを食べるようおすすめします。特に野菜やみそ汁などのスープ料理は作ったその日に消化して毎日食べるようにしましょう。
ですが例外的に、穀物豆類海藻は1晩置いて翌日に食べても目立った悪影響は出ないので、応用して食生活を楽しんでいくこともできます。

命を育む料理

家族
料理は栄養を与えるだけでなく、味や見た目、香りなど様々な方法で食べる人に刺激を与えてくれます。腕の良い料理人になればなるほど、その力は強力になって行きます。
そして栄養を操る技術に長けている料理人になれば、得られるエネルギーが驚くほど跳ね上がります。膨大な量の情報を用いて作り上げられる料理の献立は、一種の錬金術、あるいは芸術ともいえるでしょう。
さすがにこれを成し遂げるには並々ならぬ技術が必要となってきますが、毎日作る料理にひと手間を加えるなど、ちょっとの変化を持たせるだけで脳への刺激を与えます。成功すれば幸福感を得られますし、失敗しても次への学習として繋げられますので失敗を恐れずどんどん試してみましょう。
最も避けるべき事は単調な料理をただ食べるだけで終わって、『食事』が『作業』に変わってしまう事です。

火力

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火は人類の進化の象徴とも言われています。
マクロビオティックの料理でも火を扱う事は多々ありますし、現代文明のガスは安定した火力が得られるので重宝しています。
自然のエネルギーを最も得られるのは焚き木や石炭、炭などの自然が生み出した燃料を使うことですが、こちらはそうそう扱えないのでキャンプなどのアウトドアの際に実践してみてください。

咀嚼の回数

咀嚼数の理想は100回噛むことですが日常的に実践するのは難しいでしょう。また料理が冷めてしまいますので50回を目安に食べてみましょう。
噛むことで分泌される酵素プチアリンは唾液に含まれていて、消化・吸収を助けてくれます。これによってより効率よくエネルギーを吸収できるので、食べすぎを抑えることもできます。また脳への血流がアップするため、様々な恩恵を得ることができます。

料理をする時の気分

何をするにもやる気や気合が行動に活力を与えてくれます。それは料理にも同じことが言え、料理人の心情がそのまま料理に乗るのです。マクロビオティックでは、「料理する」というその行為にも重要な意味があります。
もし気が乗らなかったり嫌な心情で料理をしたら、作り出された物も不出来な状態になるでしょう。
料理人の感情が左右される以上、「料理に愛情」などという言葉はあながち間違っていないのです。食材に感謝し、食べる人の事を想い、調理に集中することでより良い料理が完成するのです。
それと可能であれば食事の際、テレビやネットを見ず、自然の音や家族の団欒に耳を傾けて食事を取る事がマクロビオティックの理想です。