Lesson6-2 両極端な食べ物 その1

極端なエネルギーを持っている食べ物は人体に良くも悪くも大きな影響を与えます。Lesson6-2では、マクロビオティックの観点から避けるべき、最小限にとどめるべき食べ物について学習していきます。

豚
マクロビオティックでは、食した肉の種類によってそれぞれの特徴が人間にも移ると考えられています。例えば牛肉だと雄牛のような攻撃性、豚肉だと何でも食べる事からぞんざいな性格に、鶏肉だと骨が角ばってきて、子羊肉だと弱々しい態度になると考えられているのです。(現代の医学ではそのような効果はないとも言われています)
はとても強力な短期的エネルギーを持っており、食べた直後に満腹感と行動力が得られたので昔から食されてきました。特に肉体労働で体力を使ったり、寒い地域で体温を高める必要がある人たちが頻繁に食してきました。
確かに肉は強力な陽性のエネルギーを持っているので運動をするのに便利な食材です。ですがその一方、脂肪やコレステロールなどの陰性物質も溜まり易くなり、過食は高血圧や肥満の原因になります。また複雑なアミノ酸の連鎖によって構成されているため消化に時間がかかり内臓や腸に負担が大きいという側面もあります。
現代において肉の方が多く食されますが、マクロビオティックではたんぱく質は大豆などの豆類で満たすことが中心となります。

は人間が食する食べ物の中で、エネルギーが濃縮している物のひとつです。
1日1玉だけでも十分なエネルギーが得られるのですが、頻繁に多食しているとエネルギーの取りすぎで発疹などの吹き出物が出来てしまう可能性があります。

乳製品

カルシウムを得られる代表的な食品ですが、マクロビオティックでは乳製品の粘液性が副鼻腔、肺、消化器系に悪影響を与え、疾患を引き起こすと考えられているため、乳製品は極力控えるのが理想です。

魚介類

刺身
魚介類に含まれるDHAが脳に作用していたことから、感覚が研ぎ澄まされたり洞察力が鋭敏になると考えられていました。ですがマクロビオティックの考えでは、マグロやサケなど脂が多く乗った魚を多食すると、油分の大量摂取で行動が攻撃的になるともされています。

パンおよび小麦粉焼成食品

良質な全粒穀物によって作られたパンなどの穀物製品は、少量・適量で食せば健康的で理想的な食事です。
ですが現代では精白小麦粉と砂糖を用いたパンが多く見られます。そちらの方が大量生産は簡単ですし、安定した味を安価に生み出すことが出来ます。しかしそのパンにはベーキングパウダーや砂糖など、菓子パンになればもっと多くの糖分が含まれるようになり、マクロビオティックの足かせになってしまいます。
そのため、可能であればスーパーなどの大量生産したものではなく、パン屋などの専門店で作られる全粒穀物のパンを食べる事をおすすめします。
 

マクロビオティックと動物性食品について

「マクロビオティック」というと、「菜食主義」「動物性食品は一切食べない」食事法と考えている方もいらっしゃいますが、本質的なマクロビオティックは菜食主義やベジタリアンとは異なるものです。
このような禁肉法や禁酒法は、食物の一部分を否定しているものとなってしまいます。桜沢氏もマクロビオティックは食養法であり菜食法ではないと考えており、はなはだしく不自然なものでない限り柔軟に応用して食していくことこそが、健康に楽しく生きていくことの実践法であるマクロビオティックであるとしています。
そのため、肉や魚を忌み嫌うのではなく、「原則としてその土地の食物の伝統を尊重する」という考え方を持つとよいでしょう。
ただ、現代は食の欧米化により、過去類をみないほど肉食の割合が増えています。
安価な肉や魚などは、不自然な飼料を与えられ狭い空間で育てられていたり、ホルモン剤などが使用されて育てられたものが多く出回っています。これは、マクロビオティックの考えの中で「自然なもの」には当てはまらないでしょう。そのため、肉は控えるという考え方が広まっていきました。
しかし、牧草を食し放牧されながら幸せに育った動物の肉を感謝して少量頂くこと、放し飼いにされて元気に動きまわる鶏の卵を感謝して少しだけ頂くことは、私達の食の長い歴史から見ても不自然なことではありません。
このように基本をしっかりと押さえた柔軟な考え方を持つことで、毎日の食事に応用できる基本を身につけていくことができるでしょう。