第4段階:蓄積
過食や極端な食べ物を常時食べていると、排出作用でも追いつかないほど脂肪分が体の中に溜まって行きます。これを「蓄積」と呼びます。
蓄積していった脂肪は次第に粘着質になってきて、多少のことでは体から剥がれにくくなってしまいます。初期段階でこの症状が見られる場所は基本的に人体の周辺部分や体外との接触部位になりますので、これから説明する部位に心当たりがある方は注意しましょう。
副鼻腔(ふくびこう)
鼻は空気中の微細なゴミも一緒に吸い込んでしまうので、鼻毛でそれらの侵入を塞いでいます。ですが副鼻腔に粘液が溜まっていると、ゴミや花粉と反応してアレルギーや花粉症などの症状としてくしゃみが出て来ます。
扁桃腺(へんとうせん)
過剰分がノドに蓄積すると、扁桃腺に腫れの症状が現れます。この扁桃腺から分泌されるリンパは乳製品や砂糖などの作用を中和してくれる働きを持っているので、ここの機能が故障してしまうと、老廃物の蓄積のスピードが上がってしまいます。
そのため、糖分を多量に摂取すると扁桃腺を酷使することとなり、炎症を起こしさらに老廃物の蓄積が進むという悪循環となりますので、糖分を摂り過ぎていると心当たりが有る方は注意してください。
耳
耳に脂肪や粘液が蓄積すると、痛みや難聴、耳鳴りといった形で体を襲ってきます。さらに症状が進むと中耳炎だけでなく、聴覚神経損傷、聴覚障害などもっと重い疾患になる可能性が高くなります。
特に耳に蓄積しやすいのは、乳製品の脂肪です。上記のような症状が出た時は摂取を控えましょう。
眼
眼にも脂肪が蓄積されると近視や乱視などの視力の低下から始まり、ついには白内障や視力喪失など重度な症状になります。
歯・歯肉
糖分の蓄積のイメージが湧き易いのは虫歯でしょう。糖分の蓄積は虫歯や歯肉炎に直結します。正しい歯磨きや歯茎のマッサージなどで予防が可能です。
マクロビオティックではよく噛むことをとても大切にしています。その面でも歯はとても重要です。
肺
肺は呼吸器系においてとても重要な役割を果たします。ここに脂肪が蓄積すると、ぜん息や気管支炎などの症状が現れ、新しい酸素の吸収が困難になります。同時に老廃物となった二酸化炭素を排出することも困難になるので、毒素も溜まって行きます。
新鮮な酸素は、健康において栄養素に引け劣らないほど重要なものです。現代はスマートフォンやパソコンの使用で猫背や肩こりに悩む方が急増しており、必然的に呼吸が浅くなっています。ただでさえ吸い込める酸素量が少なくなっているので、老廃物の蓄積によるダメージはより大きくなります。
頭がぼーっとする、なんとなく疲れがとれないと感じられている方は、肺に老廃物が溜まっている可能性もありますので、意識して深く呼吸するようにしてみましょう。
胸部
胸に蓄積される悪性の脂肪は収束して塊になります。これは良性の腫瘍であれば問題ありませんが、悪性のものはガンになる可能性もあります。
もし胸を触診してしこりや小石のような物が入っている感覚を覚えたら、直ちに病院での診察を受けましょう。
腸
腸は直接栄養分を摂取する重要な器官です。
腸への老廃物の蓄積とは、便秘をイメージして頂けるとよいでしょう。便秘が慢性化すると腸内壁に過剰分が直接溜まり、腸壁を傷つけ栄養の吸収が困難となります。これでは、せっかく身体にいいものを食べても身体は吸収分解を行い細胞を作り変えて行くことができません。
また、腸は精神安定や睡眠を司るホルモンであるセロトニンの分泌や身体の免疫機能の大部分を司っています。腸内に老廃物が蓄積することで腸内環境が悪化したり、腫れて炎症を起こすと、身体だけではなく精神にも影響を与えるので、腸からの老廃物の排泄はとても重要となります。
腎臓・膀胱
腎臓と膀胱に脂肪が蓄積すると、泌尿器系、循環器系、排出器官など、様々な面で疾患を引き起こします。さらに悪化すると腎臓内で水が結晶化し、石になって痛みを与えます。
腎臓は体内のエネルギー循環を管理していますので、ここで不調が起こると日中はもちろん、夜中寝ている間も体を苦しめ精神を休ませてくれません。
生殖器
女性の場合は子宮に脂肪が溜まり易く、腫瘍となって着床の邪魔をします。他にも卵管に溜まるとそもそも卵子と精子が会わなくて受精できなくなる場合もありますので、月経などの周期が狂い始めたら早めの診察を行いましょう。
また子宮に溜まりやすいものとしては、皮膚から化学物質が吸収される経皮毒が挙げられます。シャンプーやボディーソープなどの化学物質は皮膚から体内に入り込み、子宮に蓄積されますが、これはなかなか排出することができません。この子宮に蓄積した化学物質が、現代の子どもたちのアレルギー多発の一因ではないかと指摘されています。
男性の場合は前立腺に溜まり易く、泌尿器系や生殖器に疾患をもたらします。
どちらにも言える事は不妊症や精力の衰え、性病の発症が起こり得るということです。自分の体だけではなく、未来の子供にも悪影響を与えかねないので「おかしいな?」と感じたら早めに病院へ行きましょう。経皮毒に関しては、身体に直接使用するものは化学物質が無添加のものを選ぶことがおすすめです。