Lesson7-4 食事と病気の進行 貯蔵

第5段階:貯蔵

蓄積だけでも十分に危ない状態なのですが、それがもっと進み体の奥底まで進行して脂肪が溜まって行く状態を「貯蔵」と言います。主に心臓や肝臓、胆のう、膵臓などの重要な臓器に溜まって行きます。
異常な排出作用、痛み、血液の劣化、蓄積に続いて深刻化していった、病期の進行の第5段階に当たる貯蔵が引き起こす症状について、説明していきます。

心臓

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肉や卵など食物由来のコレステロールが豊富に含まれている食べ物を過剰摂取した場合、脂肪は動脈の内部やその周辺に溜まり血液の循環を妨げます。これはアテローム動脈硬化症が有名です。
さらに血清コレステロール値も上昇して症状を加速させるので、心臓発作や脳卒中など命にかかわる病気が発症する可能性も出て来ます。(※1)

肝臓・胆のう

肝臓は人体で最も重要な臓器の1つです。消化、循環、排出機能など多くの機能を管理していますが、それだけ多くの要素が関係してきて肝臓を襲ってきます。
肝臓には、脂肪、粘液、タンパク質、水分を中心に溜まって行き、いずれは肝臓を硬化させて機能を停滞させてしまいます。さらには血液中の毒素をろ過する機能にも悪影響を与え、ホルモンや酵素の分泌が弱まってしまいます。
これは肝臓で作られた胆汁を補完する胆のうにも関係してきます。悪性の胆汁が溜まって来ると、のう胞や結石が生まれて来ます。
肝臓や胆のうの疾患は目や視力の病気にもつながりますので、私生活にも支障が出て来ます。

膵臓

膵臓は糖分の代謝をつかさどるだけでなく、タンパク質、脂肪、炭水化物の消化を促進させてくれる酵素も分泌します。そのため膵臓が機能低下すると、一気に脂肪が溜まり易くなります。
『健全な膵臓から健康と幸福が得られる』と言われるほど、膵臓は重要なポジションにあります。もしたんぱく質や脂肪が膵臓に蓄積されると硬化が始まり、酵素の分泌が弱まってしまいます。
クッキーやクラッカーなど、固く焼いた小麦粉製品や塩分の取り過ぎが膵臓の硬化を速めます。すると無意識に弱った膵臓機能のまま高いパフォーマンスを求めるので、高いエネルギーを持つ甘味やアルコールを求めるようになります。
これによって膵臓の疾患だけでなく、肥満の恐れも現れますので注意しましょう。

内分泌腺

内分泌系はホルモンの配給を受け持っているので、もしここに脂肪や粘液が蓄積されるとホルモン分泌のバランスが崩れてしまいます。すると周期物の乱れや成長の停止、さらには人格の変化など体に大きな影響を与えます。

がん

がんは今まで怠ってきた生活や自分に合わない生活法を行ってきた集大成とも言えます。ここまで説明してきたような症状を軽視して過ごした結果ががんとなるのです。
ここまで来ると民間療法や食事法だけではどうすることも出来ないので、絶対に医者との相談をお願いします。現代の医療では早期発見出来れば高い確率で治療が可能なので、もし気になったら定期検診などで相談してみてください。

神経疾患

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臓器や腺で過剰分の栄養が蓄積すると、筋肉や骨、神経にも影響を与えます。
これらは体の機能に直接関わらないですが、関節炎やリウマチ、骨粗しょう症などの症状で日々の生活に支障をきたします。これに関しては食事に気を付けるだけでなく、ストレッチやジョギングなどといった適度な運動やリラックス法も有効になります。
 

※1・・・食物由来のコレステロールについて

今まで、コレステロール値が高い方は卵を控えるのが常識でしたが、最新の研究で、卵などの食物コレステロール摂取は直接血中コレステロール値に関係するわけではないということがわかってきました。そのためコレステロールに関しては、そこまで神経質になる必要ありません。
しかし、動物性食品の多量摂取は、Lesson6の極端な食べ物の所でも学習したように様々な弊害が合わられる場合もあります。質がよいものを適量食べるように心掛けましょう。